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【ECO MUSIC】次世代アートを担う男、語る。 小林宏明氏インタビュー完全版 PART:1

2009.11.07

南青山にオープンしたショップ、PLSMIS(プラマイ)では ドラムスティックを再利用して作られたeco-musicの商品「スティックペン」を 購入することができる。 そのPLSIMISをプロデュースしたのが、株式会社OBN代表小林宏明氏。 野外フェスSense of Wonderの仕掛け人でもあり、 今後のアートシーンを見据えた活動を行う小林氏に今回、 自身の活動、エコに対する考え、また「スティックペン」の感想について 語ってもらうことができた。 ※【】内の質問はeco-musicによる。 【小林さんのなさっている仕事はどのようなものでしょうか?】 野外フェス、sense of wonder(以下、SOW)のオーガナイズを主にして、 いろいろなアーティストがジャンルなどに縛られずに表現できる場を提供するのが 僕の仕事です。今年はPLSMIS(プラマイ)のオープンと、 野外フェスではないのですが、 ライブイベントであるUrban Tribeの準備にも力を入れたので、 おかげさまで結構、忙しくなりました。 モチベーションとしては、 自分のやりたいことで人が喜んでもらえればうれしい という気持ちでやっています。もちろん人に迷惑がかからない範囲でですよ。 【小林さんの手がけるそれらのライブやショップなどの コンセプトとはどのようなものでしょうか?】 SOW、PLSMIS、Urban Tribe、 どれもコンセプトは限定しないように心がけています。 言い換えるならアートにとって重要な「普遍性」をテーマにしています。 例えば、SOWの出演者のブッキングの際は、 特に趣旨といったものは決めずに選んでいます。 イベントタイトルである"Sense of wonder"という言葉から 感じ取れるものに合うアーティストを探して、 それでいて個々のアーティストがどうこうというより、 アーティストが集まって全体を構成するような、 フェスそのものがよかったと言ってもらえるような 統一感を出すことに努めています。PLSMISもあえてカテゴライズはせずに、 「よくわからないけど、いい場所」と思ってもらえるスペース作りを目指しています。 どちらも、ジャンルに特定されない、 作家オリジナルなものを発信できるようにしていきたいからです。 【とはいえ、SOWは独特の雰囲気を持っていますよね。】 sow一年目は初開催ということで、 とにかく衝動に突き動かされた感じで、 フェスが表現する意味とかはあまりよく考えていませんでした。 今思えばそういった考えはあとからついてきたような感じでした。 とはいえ、目指したかったことはいくつかはっきりしていて、 毎年恒例になっている某有名フェスのような、 ちょっと行くのに気合入れた準備がいるような大型フェスとは違って、 誰でも気軽に普段着で来られるバリアフリーなフェス。 「クラブ・ミュージックのイベントです」というようなジャンル分けを避け、 わざと色をはっきり打ち出さないフェス。 気軽に来れるけど、野外で自然の雰囲気を味わえて、 子供と一緒でも楽しめるようなフェスですね。 まったりしたフェスがあってもいいんじゃないかという思いもありまして。 そこに共感してくれる方や、 来てくれて「良かった」とメールをくれた方がいたことは本当にうれしかった。 【なるほど。】 またSOWは若者に向けて、若くてもやれるんだというメッセージを 伝えていけるものでありたいと常に思っています。 僕自身は、いまの音楽やアートの業界の中で、 肩書きみたいなものを意識して仕事をしたことはありません。 若くたっていいじゃないかと。 特に10代、20代の人に希望を与えられるようなフェスにしたいんです。 やりたいことがあるなら、我慢しなくていいんだと。 彼らが今後、行うであろう表現に インスピレーションを与えられればいいですね。 若い世代が自分の表現に対して自覚的になれば、 いまだに成熟していない日本のアートシーン全体が、ボトムアップします。 究極の目標はそこですね。 (PART:2に続く)