NOAH NEWS|NOAH College
2013.01.08
自分のギターのこと、細かいところまで見てあげているだろうか? 「実は、弦の張り方よくわかっていないんです」とか「ボディとネックを自分ではずすなんて、こわくてできません!」なんて思っている人、意外と多いのではないだろうか。そんな人たちは、ぜひこの記事を読んでほしい。講師は日本が世界に誇るギターメーカーFUJIGENの古澤氏。非常にわかりやすく、かつ信頼できる内容となっている。それでは、新しいギターの世界へレッツ・ゴー! ☆弦を張り替える! 弦の状態を見てみよう。サビ、汚れがひどいとチューニングが狂いやすいので、そういう場合は張り替えよう! ■チューニングが狂いにくい弦の巻き方 巻き付けたいポストから、STタイプだとポスト2個分、LPタイプだと1個分のところ(この長さだと2巻きくらいになり、2巻きが一番チューニングが狂いづらい※)で弦を折る。これは弦を緩みづらくするためだ。そして、ポストの弦が緩まないように片方の手で引っ張りながら、巻き付けていく。 ※楽器によっては、たくさん巻かないと、うまくナットに力がかからない場合があるので注意が必要。 Q:LPタイプで1回上方に巻くとチューニングが狂いづらいというのは本当? A:上から巻き付け、下側に巻き付ける際、隙間が大きくできる箇所があるので、逆にチューニングの狂いが生じやすい(写真)。やはり、そのまま下に巻き付けるほうをオススメする。 ☆チューニングをしよう! チューニングは、ペグを締める方向のみで行う。緩める方向で合わせると、弦を支えているパーツ部分に違う力が働き、チューニングが安定しにくい。また、ナットの溝やブリッジの溝にサビや汚れが付いていてスムーズに弦が巻けないことがある。定期的にクリーニングしよう。 Q:弦が1本切れたとき、すべての弦を張り替えたほうがいいというのは本当? A:コストはかかるが、すべての弦を交換しよう。理由としては、1本だけ新しい弦にすると、その1本だけサウンドが変わってしまうためだ。 ☆ネックの状態を簡単チェック! まずは、弦の張力によりネックの反り方が変わるのでチューニングをしよう。そして、1フレットと最後のフレットを押さえると、ネックの反り具合をチェックできる。ネックと弦の間が開き過ぎ、もしくはくっついていたら調整が必要だ。少し隙間が残るくらいが基本セッティングだが、演奏のスタイルなどによってはギリギリもしくはほんの少し当たるくらいにする人もいる。1弦側と6弦側の状態が違う場合が多いので、演奏した際にバランスの良いと感じる所に合わせるのが良い。 ■ネックを調整しよう! 調整をする前に、1弦と6弦の12フレットの上の面から、弦の下の面までの距離を測っておこう。これで、ネックの反りがどのくらい直ったのかが確認できる。そして、弦をすべてはずす。 ここからが実際のネックの調整だ。行う作業としては、トラスロッドのネジを回して調整する。トラスロッドとは、ネックの中に入っている素材が締まったり緩まったりすることによって、ネックの反り方を調整する機構だ。代表的なトラスロッドには、大きく分けて、ヘッドアジャストタイプ(ネジがヘッド側にあるタイプ)とエンドアジャストタイプ(ネジがボディ側にあるタイプ)の2タイプがある。エンドアジャストタイプは、ネックとボディをはずす必要がある場合がある。トラスロッドのネジは、正面から見て右回しがネックを逆反りにする方向、左回しが順反りの方向に調整ができる。まれに、逆回しのトラスロッドやダブルトラスロッドなど特殊な場合もあるので、わからない場合はメーカーに確認しよう。 それでは、楽器の状態に合わせて調整しよう。ネックが順反りになっていたら、右回しにトラスロッドを回し逆反り方向に調整する。逆反りになっていたら、左回しにて順反り方向に直す。どのくらい回すかは、360°の6分の1の60°を目安に調節してみよう。メーカーや個体差により、ネックの動きに差がある。トラスロッドを回しネックがこれだけ動いたという情報を、自分の楽器なのでぜひ知っておいてほしい。 次は、ネックが正常になったのかを弦を張ってチェックしよう。まだ直らない、もしくは反りが逆になってしまった場合は、また弦をすべてはずし同じ作業を繰り返す。地道な作業だが調整すると演奏性、サウンドが違ってくるので、ぜひ頑張ってほしい。 ネックが正常になったら、最初と同じように各弦の高さを測り、良いコンディションの情報を残しておこう。次回、違和感を覚えた際の目安になる! 最後に、トラスロッドの調整を行っても症状が改善されない場合は、ネック以外に問題を抱えている可能性がある。その際は、リペアショップや楽器店に相談しよう。 Q:ネックが割れそうで、自分でトラスロッドを回すのがこわい! A:トラスロッドの調整は、確かに難しい調整箇所だ。しかし、トラスロッドは楽器所有者が自分で調整できるように作られた機構だ。なので、相当無理な調整をしない限りは壊れない。自分の楽器のコンディションを知る良い機会として、根気よくかつ慎重にチャレンジしてみてほしい。 【情報提供:フジゲン株式会社 営業担当 古澤氏
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