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音楽コラム集|編集部コラム

世界で最も有名な総合楽曲チャート!Billboard Japan Hot 100を徹底解剖!

2014.06.02

22_6_top.png 世界で最も有名な音楽メディアBillboard の国内唯一の総合楽曲チャートであるBillboard Japan Hot100が、Look UpデータとTwitterを合算という新たな視点を加えて、昨年末にリニューアル ! 今回のリニューアルで何が変わったのか、そもそもヒットチャートとはどのように決まっているのかを徹底解剖。 22_6_1.jpg Billboard Hot100は、アメリカで50年以上の歴史を持つヒットチャートだ。古くは、ラジオのエアプレイ回数、レコードの販売枚数、ジュークボックスの再生回数を合算する総合楽曲チャートだった。時代の流れに併せて、CDセールス、ダウンロード数、Spotifyなどのストリーミング回数、YouTubeの閲覧回数を合算している。 その合算ノウハウを使って、5年前に日本で誕生したのが、Billboard Japan Hot100だ。Billboard Japan Hot100は、�@パッケージ・セールス、�AAM/FMラジオ・エアプレイ回数、�BiTunes Japan配信回数の合算によってチャートが構成されていた。しかし、現代の総合楽曲チャートとしては、楽曲の社会的浸透度を図る上で、インターネット上の個人から発信される情報を新たに組み込むことが必要であると考え、昨年12月に�CCDのLook Up回数及び�DTwitterのツイート回数を新たに加えた合計5種類のランキングを開始。そのことにより、多様化する音楽マーケット動向を反映した国内唯一の総合楽曲チャートにリニューアルし、新世代の総合チャートとして熱い視線を集めている。 本特集のため、特別にビルボードから5種類それぞれの2014年4月14日付ランキングを入手! 各ランキングの解説とともに、その内容を見ていこう。 1.パッケージ・セールス 昨年、米国を抜き世界第1位のパッケージ売上を記録した日本。 8割以上を占める全国小売店とEコマースの実売データを元に全国推定売上枚数を算出しているのがこのランキング。アーティスト手売り分は、考慮されていない。 22_6_2.jpg ※一番左列は総合Hot100の順位。右がパッケージ・セールス順位。 2.ラジオ・エアプレイ 全国主要エリアのAM/FMラジオ局のエアプレイ回数を元に算出。各局のプレイリストではなく、実際に耳でモニタリングしてカウントしている(!)のが特徴。 22_6_3.jpg ※一番左列は総合Hot100の順位。右がラジオ・エアプレイ順位。 3.ダウンロード iTunes Japanのダウンロード数をカウント。iTunes Japanは、一昨年からソニー系列の楽曲も解禁され、幅広い楽曲が聴けるようになっている。 22_6_4.jpg ※一番左列は総合Hot100の順位。右がダウンロード順位。 4. Look Up 日本独自の傾向なのだが、レンタルは国内で大きなシェアを占めるため、それを網羅できる数字が必要である。さらに、友人間の貸し借りなどを反映させることも、総合楽曲チャートとしては必要となってくる。 そこで、世界最大規模の楽曲データベースを保有するグレースノート社の国内利用率第1位のCDDB(Compact Disc Data Base)にユーザーがアクセスして得られる盤情報の提供回数、つまりLook Up回数をランキング。 文章にすると難しいが、PCにCDを読み込ませるときに、大半のPCはCDDBというデータベースにアクセスして盤情報を取り寄せている。そのアクセス回数をLook Up回数と呼んでいる。 22_6_5.jpg ※一番左列は総合Hot100の順位。右がダウンロード順位。 5. Twitter 部分一致を含み楽曲とアーティスト名の両方をツイートする回数をカウントしてランキング。 楽曲とアーティスト名の両方にした理由は、楽曲だけだとタイトルが共通のものと判別できないのと、アーティスト名だけだとチャートインしている楽曲についてツイートしているのか分からないためだ。 Look Up同様、米国でもまだ合算していない(!)日本独自の試みだ。 22_6_6.jpg 6.総合Hot100 これらの各データのポイントを合算したのがHot100だ。セールスだけではないので、パッケージ発売前の楽曲やダウンロード先行の楽曲、シングルカットされていない楽曲も続々とチャートインしていて、本当に流行っている音楽のチャートになっていると実感できる。 22_6_7.jpg ※一番左列は総合Hot100の順位。右がチャートイン回数。 Billboard Japan Hot100は、楽曲の社会的浸透度を図る総合チャートとして、今後、レコード会社直営ということで先行配信される楽曲も多いレコチョクや、音楽ユーザーの動向でも大きなファクターを占めるようになってきた無料動画視聴のYouTubeやニコニコ動画の合算を検討しているとのこと。 最近、ヒットチャートを見なくなったという人は、これを機にBillboard Japan Hot100を見てはどうだろう。きっと新しい音楽に出会うきっかけとなるハズ! (NOAH BOOK 井田和幸) Billboard Japan Hot100 http://www.billboard-japan.com/