楽器NEWS|ドラム・パーカッション
2014.11.25
当たり前の話ではあるが、自身の楽器や音楽知識のスキルが上がるにつれ、プレイヤー個々に必ず自身のこだわりというものが生まれてくるだろう。とくに機材に関しては大きなこだわりを持っているという人も多くいるハズだ。 たとえば、ギター。ネックやボディの素材、ピックアップ、弦、さらにはストラップまで、プレイヤーの数だけ様々なセットアップ、組合せがあると言えよう。これは、キーボード、ドラムなどすべての楽器において言えることでもある。 このように挙げていったらキリがないことは言うまでもない話ではあるが、あえて1つの楽器の1点に着目した新シリーズがこの「機材1点入魂」だ。 第1回目となる今回クローズアップするのは、ドラムのスネアヘッドである。スネアの叩き比べをしたことがあるという人は多いかと思うが、ヘッドの叩き比べをしたことがある! という方は案外少なかったりもする。 一般的にはREMOのコーテッド・アンバサダーがスタンダードとして認識されているが、ほかにも各メーカーから多くの種類のヘッドが作られ世に出回っている。それぞれに特徴があり、ヘッドの種類ひとつでサウンド、叩き心地等が大きく変化してしまうのだ。 では、どれを選べばいいのか? こんな疑問を持つドラマーも少なくはないだろう。そんな人のために、今回は数あるモデルの中からとくに気になるスネアヘッド7種を叩き、それぞれを比較してみた。 ★ REMO ・コーテッド・アンバサダー(114BA) ほとんどのドラマーが1度は叩いたことのあるモデルではないだろうか。 全体的にバランスが非常によく、合わせるシェルを選ばないのが数多くのドラマーに愛用され続ける理由の1つであろう。数多くのドラムメーカーがあるが、ほとんどのスネアにこのヘッドがデフォルトで張られている。 ・コーテッド・エンペラー(114BE) アンバサダーより厚みがあり耐久性が高く、アンバサダーの発展版といった内容のヘッドになっている。また、アンバサダーに比べてサスティーンが短く、よりアタック感の増したサウンドメイクが可能となる。アンバサダーと並んで人気を2分するモデルだ。 ・コントロール・サウンド・コーテッド(CS-114BA) アンバサダーがベースになっているのだが、裏面中央にブラックドットの装備加工が施してある。このドットによって通常のアンバサダーに比べ耐久力がアップし、サウンドも引き締まったものとなっている。HR/HMやハードなサウンドを重視するジャンルとの相性が良いのは言うまでもないが、アンバサダーをベースにしているということもあって、ソフトなロック、ポップスにも広く使える万能型のヘッドと言える。 ・コントロール・サウンド・ピンストライプ(CSP-14) ピンストライプに先述のコントロール・サウンド・コーテッド同様ブラックドットが装備加工されたモデルとなっている。アンバサダーと比べるとアタック音が強調され非常にインパクトが強く、スピード感溢れるサウンドとなっている。近年流行しているエモ、スクリーモ、メタル・コアのジャンルの若いドラマーを中心に人気が高まってきているヘッドである。またブラス、メタル胴のスネアとの相性が抜群で、このヘッドと組み合わせることによってさらに強力なサウンドを得ることができるだろう。 ・スエード(SU-114BA) クリアヘッドの長いサスティーンとコーテッドならではの温かみのある繊細さを同居させた柔らかいサウンドが特徴的なヘッドである。コーテッドの特徴である表面のザラザラがほとんどない仕上げになっているのもこのモデルの特徴であろう。音の暴れも少なく軽快なタッチを求めるドラマーにオススメしたい。とくに歌ものとの相性が非常によく、ポップ、ファンク、ヒップホップまで広くオススメできるモデルである。 ・ファイバースキン3(FA-514) カーフスキン(牛皮)の特性をプラスティックフィルムで再現したヘッドで、表面にザラつき加工を加えることによりブラシ等のプレイにも対応したヘッドになっている。非常に丸みのあるサウンドが特徴的であり、主にジャズ、ブルース等アコースティックなジャンルにオススメのモデルとなっている。また、長年このヘッドを愛用し続けているというプレイヤーも多く、正に玄人向けのヘッドであると言える。 ★ EVANS ・オニキス(B14ONX2) 7.5mフィルの2プライ加工が施されており、耐久力の非常に高いヘッドとなっている。アタックを強調したサウンドが特徴であり、先述のコントロール・サウンド・ピンストライプとタイプは似ているが、こちらはローエンドを重視した作りとなっている。ピンストライプが弾けるファニーなサウンドであるとしたなら、こちらは非常にデッドなサウンドが印象的なモデルとなっている。また、フロストコーティングが施されており、ヘッド全面が深い黒になっている。そのサウンドもさることながら、見た目にも非常にクールなモデルであり、今後注目必須のモデルと言えるだろう。 さて、今回はこの7種のみの紹介という形ではあるが、各モデルがそれぞれ特徴のあるサウンド、キャラクターを持っているのをお分かりいただけただろうか。とはいえ、文面上だけでは伝わりにくいところもあるだろう。やはり自身の腕で叩き、自身の耳で聞き、実際にサウンドを体感することが1番だ。行きつけの楽器店で叩くも良し、スタジオ常設スネアを叩くも良し、ドラマー同士で研究し合うも良し、ぜひ自身のこだわりのヘッドを見つけてほしい。 今回取り上げたヘッドは、サウンドスタジオノア各店にて叩き比べることができる。ノアでは、これからさらにドラムに力を入れたキャンペーンを計画中。今後の動向に注目したい。 (NOAH BOOK 青木 直也)
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