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楽器NEWS|ドラム・パーカッション

Ludwig社の代表作・Black beautyをマニアックに解説!

2017.10.29

アメリカの老舗ドラムメーカー Ludwig社の代表作・ Black beauty

Black beauty(以下Bb)は最も人気のあるスネアドラムの一つ。

録音された音源を含めれば、世界中の人が一度はそのサウンドを耳にしたことがあるといっても過言ではない。

今回はBbをマニアックに解説!

BbはLudwig社の傑作スープラフォニックに次ぐ人気を誇るスネアで、ブラックメッキ仕上げのブラスシェルが特徴です。

年代によって多少の差はありますが、金属ならではのシャープさに程よい暗さと丸みが加わったサウンドはジャンルを問わず使え、まさに「何にでも合う」スネアと言われています。

某ドラム専門誌にプロドラマーが自身の愛用しているスネアを紹介するコーナーがあるのですが、Bbは 「またかよ!」と言いたくなるくらい頻繁に登場しています。

紹介するドラマーもそうそうたるメンツが並んでいますが、ベテランの著名なドラマーでさえ「やっぱりBbさんはスゴイ!」となぜか下から仰ぎ見るような視点でBbを語っています。

Bbは日本だけではなくLudwigの本国アメリカでも大人気のスネアで、台数の少ないビンテージのBbが高値で取引されています。

状態の良いものは1日レンタルするだけで1万円以上かかるんだとか。

Bbの魅力は数多く、一つずつ挙げていくとキリがないのですが、中でも特筆すべきは「ドラマー以外からも愛される」という点ではないで しょうか。

楽器はプレイヤーが良い音だと感じても、バンドメンバーやライブハウスのPA、レコーディングエンジニアのリアクションは微妙 ...というケースが割とありますが、Bbは使っていて「やっぱりBb、良いよね!」といった感じにどんな現場でも周囲を納得させてしまうパワーと説得力を持っています。

●Black beautyの名前の由来は?

Bbという名は1924年にアメリカの著名な指揮者であるポール・ ホワイトマンがニューヨークで公演を行った際に、ドラマーのジョー ジ・マーシュが使用していたスネアの豪華な外見とサウンドの良さに感動し、「Black Beauty」という言葉を送ったことが始まりと言われています。

その後1928年にアメリカのSlingerland社がLudwig社に先駆けて「Black beauty」という名のスネアを発表しますが、すぐにカタログから姿を消してしまいました。

●年代別で見るBb

初代Black beauty期

Bbの歴史は古く、1919年頃に初めて「ブラックニッケル塗装さ れたブラスシェル」仕様のスネアである「inspiration model」が誕生しました。

「inspiration model」通称ヘヴィブラス

当時のブラスは「ヘヴィブラス」と呼ばれ、現行のブラスシェルに比べ重く、パワー、耐久性ともに優れていました。

また、シェル以外のフープ等のパーツもブラス製のため、現行品に比べ 丸みのあるサウンドが目立ちます。次いで1923年頃に後継となる 「deluxe model」が登場します。

主な仕様はinspiration modelを踏襲していますが、大きな違いはシェルに施された華美な彫刻です。

この仕様は後のBbにそのまま受け継がれます。

Bbの名付けのきっかけにもなったドラマーのジョージ・マーシュが愛用していたスネアもこの機種と言われています。

そして1932年頃に、満を持して初代Bbが登場します。



豪華なルックスに目が行きがちですが、シェルだけでなく、各パーツの質もすでに現行品と遜色なく、完成度の高いスペックを持ち合わせています。

未だにこの仕様のBbを骨董品としてではなく「現場で使える楽器」として愛用しているプロドラマーが国内外に存在する程です。

初代Bbはその後スーパーセンシティブ等いくつかの仕様 の製品を発表したあと、戦争の煽りを受ける形で1934年頃に製造を中止してしまいます。

そしてBbの名はその後約50年もの間、日の目を見ることなく沈黙し続けました。

復活期

1970年代後期、Bbは突如として復活を果たします。

と言ってもその仕様は初代Bbとは大きく異なり、当時人気絶頂だったLudwigのフラッグシップモデルであるスープラフォニックに近いスネアでした。

初代Bbに比べに軽量で扱いやすいこの年代の製品は、 今となっては数あるBbの中でも断トツの人気を誇っていますが、発売当時は高額だったこともあり実はあまり人気がありませんでした。

非常に高いスペックを持っていたBbですが、1981年にLudwigが管楽器で有名なセルマー社に買収されてしまい、間もなくBbは再び姿を消してしまいました。

ブロンズ期

セルマー社の傘下となった後1988年にBbは再び復活しますが、 従来のブラスシェルではなく、80年台初頭から台頭してきたブロンズシェルが採用されています。

(一説には1970年代後期のBb復活期 にすでにブロンズシェルのBbが流通されていたとも言われています)

その後1992年頃までBbはブロンズシェルのまま流通していましたが、長いBb歴史の中で地味な存在になってしまいました。

現在

Bbは1994年頃に再びブラスシェルに戻りましたが、シェルの製造工程が見直され、サウンドも現代的な方向にシフトしていきました。

仕様も昔ながらのスタンダードなものだけでなく、チューブラグやハンマードシェル等バリエーション豊かなモデルを発表し続け、1999年にはLudwig社の創立90周年モデルをBbが務めました。

現在もBbは大量生産が難しい仕様ながら作られ続けており、Ludwigを代表するモデルとして世界中で活躍しています。

以上、ズラーっとBbについて語ってきましたが、この歴史的な名器を

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