音楽コラム集|スタジオマンが教える豆知識
2021.06.27
ボーカリストの皆様、自分のマイクは持ってますか?
ボーカルの歌い方・声質・声量などは人それぞれ。
持っていなくてもスタジオ、ライブハウスで借りられるので問題ないですが、自分の声に合ったマイクを持っていると、1ランク上のパフォーマンスに近づけます。
利用用途が「ライブ」なのか「レコーディング」かによってマイクの選択肢は大きく異なってきます。
ライブ向きなのが「ダイナミックマイク」です。
中にある振動板のふるえが電気信号に変換されるシンプルな構造で、ポップノイズなどに強いという特徴から、ライブパフォーマンスで非常に重宝されるマイクです。
一方、レコーディング向きなのが「コンデンサーマイク」です。
こちらは電圧をかけたフィルムをふるわせ、そのふるえが信号に変換される仕組みのマイクです。
ダイナミックマイクよりも繊細に音を拾い出力します。
その構造・特徴から、録音によく使われます。
音を拾う方向や角度などの特性はマイクによって異なるため、マイクを選ぶ際にこちらも非常に重要なファクターになってきます。
例えば「無指向性マイク」であれば全方向からの音を集音し、「単一指向性マイク」であれば1方向からの音を集音します。
マイクの持つ周波数特性もそれぞれ異なるので、例えば中高域のくっきりとした帯域を綺麗に拾うものや、低域のどっしりとした音の質感を拾ってくれるマイクまで様々です。
そのため、声質に合わせてマイクを選ぶことも重要になってきます。
「女性ボーカルでハイトーンをしっかり響かせたい」というようなイメージをしっかりと持ってマイクを選ぶと良いでしょう。
マイクが拾う音量・音圧もそれぞれで異なります。
大音量で鳴っている楽器を集音するのに適しているマイクから、大きな音圧には耐えられずに歪んでしまうものの、歌い手の息づかいまで繊細に集音してくれるようなマイクまで様々です。
大手音響機器メーカー・SHUREが誇る業界標準の大定番マイクです。
低域から高域までバランスよく集音し、どんな歌い手にも対応してくれる万能マイクということで、1970年代にボーカル用マイクとしてのスタンダードの地位を確立したモデルです。
こちらはSM58をよりライブステージ向けにしたモデルです。
SM58との具体的な相違点ですが、
・指向性
・周波数特性
が挙げられます。
指向性については、SM58の単一指向性と比較し、超単一指向性ということで音を拾う方向がやや狭まっています。
これにより、音の回り込みにより起こるハウリングが抑制でき、周囲のノイズも拾いにくいというライブ向け仕様になっています。
ただ、その分マイクの持ち方や距離・角度などはシビアになってくるので、初めて使う際は注意が必要です。
マイクスタンドにセッティングした状態で歌うと、口の位置や角度など固定されるので、まずはその状態から使ってみると良いでしょう。
周波数特性は、SM58と比較して、やや高域がくっきりとした音像になります。
ライブでアンサンブルと混ざると歌詞の子音が聞き取りにくくなることもあるので、それを回避しやすい周波数特性ということになります。
これらのマイクはワイヤレスタイプもラインナップしているので、ステージ上を縦横無尽に駆け回りたいというボーカルの方はこちらを検討しても良いかもしれません。
ボーカル初心者の方で「自分用のマイクを買いたいけど、どれが良いか分からない・・・」という方も多いかと思います。
スタジオノアではSHUREをはじめ、SENNHEISERやAudio-Technicaなど各メーカーのダイナミックマイクの定番機種を多数取り揃えております。
こちらはほとんどが無料レンタル可能なので、歌練習の際にぜひ使用してみてください!
また、録音用途向けのコンデンサーマイクも多くの店舗でレンタルできます。(有料)
こちらは10万円〜30万円程度のプロ御用達高級マイクまでリーズナブルにレンタル可能なので、レコーディングや「歌ってみた」用の音源録音にも最適です。
初めてのマイク選び、なかなか難しいかと思いますが、まずは定番機種のSHURE SM58やBETA58を基準に、他のマイクを試してみながら自分の好きな音、歌いやすいマイクを追求してみるのが良いでしょう。
SHURE SM58やBETA58は店頭で販売も行っておりますので、詳しくはスタッフまでお声がけください!
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