音楽コラム集
2023.10.23
おはようございます!
皆様、「インピーダンス」についてご存知でしょうか?
インピーダンスとは
アンプやスピーカーを接続する時に目にする「Ω」という単位が付いている数値がインピーダンスです。今回はスタジオの機材を例に解説をしていきます。
「インピーダンス」は、単位は「Ω(オーム)」で表され、簡単にいうと「抵抗値」です。電流の通りやすさ、音量の大小に関わっています。
基本的にはインピーダンスが高いほど電流は小さくなり、音量も小さくなります。逆に低いと電流は大きくなり、音量も大きくなります。
このインピーダンスは、楽器や機材で信号の出力側と入力側の両方にそれぞれ決まっています。そして大抵の場合、お互いのインピーダンスの数値が一致している、「インピーダンス・マッチング」している状態が理想と言われています。例えば、NOAHの常設ギターアンプのマーシャルのアンプヘッドとスピーカーキャビネットは基本的には16Ω同士で接続されています。
ここからはアンプとスピーカーを例にインピーダンスについてお話ししていきます。
早速ですが、インピーダンスが一致していない場合はどうなるのでしょうか?
8Ωで出力して16Ωのスピーカーに入力された場合、スピーカー側の抵抗が大きく電流も小さくなるので音は小さくなります。この状態を「ロー出しハイ受け」といいます。機材によってはインピーダンスマッチングをするのが難しい場面は多いため、基本原則としてこの状態を目指します。
16Ωで出力して8Ωに入力された場合、小さい電流で出そうとしているにも関わらずスピーカー側は電流が通りやすい、またはより大きな電流を要求するためアンプ側に負荷が掛かってしまい故障に繋がります。エレキギターなどのハイインピーダンスな楽器をPAやインターフェースに直接繋いだ際もハイ出しロー受けとなり、激しく音が劣化します。そういった場合は、Hi-Zボタンがあればそれを押して入力側のインピーダンスを高くするか、DIボックスを経由させます。「ハイ出しロー受け」は避けるようにしましょう。
ギターアンプのスピーカーキャビネットのインプットを見てみると、モノラルとステレオを選ぶスイッチがあったり、挿し口が複数あったりします。
これは、インピーダンスごとに分けたり、スピーカーをL側とR側に分けてステレオで音を出したりするためのものです。
マーシャルのキャビネットでいうと、右側が16Ωのモノインプットで左側が4Ωのモノインプットになっています。
ステレオモードにするとL側とR側にスピーカーが分かれ、8Ωを2本挿すことでステレオ出力が出来ます。
モノラル8Ωがデフォルトの2発や4発のスピーカーキャビネットの場合は、ステレオは4Ω×2というように、ステレオや2台並列で使う際はモノラル時の半分の数値になります。ステレオのスイッチが入っていると鳴るスピーカーもインピーダンスも変わるので、モノラルで鳴らす際はステレオになっていないか注意しましょう。
アンプヘッドの出力側にも、インピーダンスを変更するスイッチが点いていたり、ジャックごとにインピーダンスが違ったりします。ベースアンプではプラグの形状もフォンやスピコンと種類があるため、挿し口の確認はしっかりしましょう。
以上がスタジオ内で見掛けるインピーダンスについてのお話でした。アンプヘッドを持ち込んでキャビネットに接続してご利用する方も多いかと存じます。接続方法を間違えるとスタジオの機材やご自身の機材の実力を十分に発揮させることが出来ないだけでなく、最悪の場合故障させてしまうかもしれません。正しい接続方法、良い音で音楽を楽しみましょう!
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