音楽コラム集
2024.06.20
シンセサイザーとは...電子回路を用いて音を作るエレクトリック・キーボードです。
synthesize=合成するという言葉から名付けられました。
エレキピアノとの違いは、あらかじめ音のテンプレートがあるエレキピアノに対して、シンセサイザーは電気の持つ波を変換して音を出しているため、1から自分の好みの音を作り出せるところです。
エレキピアノを電気楽器、シンセサイザーを電子楽器と呼びます。
シンセサイザーを大きく分けると、アナログシンセサイザーとデジタルシンセサイザーの2つに分けられます。
今回はこの2つの特徴と違いについて紹介していきます!
1960年代にモーグのアナログシンセが発売されてから1980年代まで音楽界の第一線で活躍しました。
デジタルの波及に伴い年々生産数が減少していくことになりますが、今もなお、その音質を好む方やヴィンテージ品としてこだわりを持つ方々に愛されています。
アナログシンセは「音声信号を担当する回路」「制御信号を担当する回路」の2種類の回路を搭載しており、これらを駆使して音作りを行います。
Moog / Minimoog Model D
音声信号を担当する機能は「VCO」「VCF」「VCA」の3つです。それぞれの機能をオシレーター (音の波形)を元にコントロールしていきます。
VCO...Voltage Control Oscillator 基本波形を作る発振器の役割を持つ。アナログシンセでは、のこぎり波・矩形波・パルス波・三 角波などの倍音を含む波形を主に使用する。
VCF...Voltage Control Filter 波形を加工する回路。ハイパスフィルター・ローパスフィルターなどを組み合わせて音を作る。
VCA...Voltage Control Amplifier 音量をコントロールする機能。
この3つの機能を用いて音色・音程・音量を制御します。(減算方式という)
制御信号を担当する機能は主に「エンベロープ・ジェネレーター」「LFO」「鍵盤orシーケンサー」の3つです。
エンベロープ・ジェネレーター...Attack(立ち上がり)/Decay(減衰)/Sustain(減衰語の保持)/ Release(余韻)の4つのパラメータを用いて時間的変化を作り出す。
LFO...Low Frequency Oscillator 低い周波数を音声信号の制御回路に送り、周期的な変化を加える。例えばVCOに加えるとビブラート、VCAに加えるとトレモロになる。
鍵盤orシーケンサー...演奏情報を入力する機能。VCOとVCFに電圧を供給し、音程や音質の加工 をおこなう。
また、エンベロープ・ジェネレーターに演奏のオンとオフを入力することで、そのタイミングに合わせて設定された時間的変化をVCAに送り制御している。
1980年代に発売されてから、アナログシンセより使いやすく、かつ安価で手に入るため、多くの音楽家たちが作曲に用いました。
その名の通り、デジタル信号処理の技術を使って音声信号処理をするシンセサイザーです。
そしてデジタル処理された音声信号は、デジタル-アナログ変換(D/A変換)の回路を通してアナログ信号として出力されます。
また、ソフト音源が標準搭載されたシンセサイザーも多く、元から作られているプリセットを駆使して作曲が可能です。
AKAI / MPK Mini Play
音源方式には主に、「FM方式」「PCM方式」「PD方式」の3種類存在します。
FM方式...Frequency Modulation 周波数を変調する方式。元の波形に異なる周波数の波形を加えることで目的の音を作り出す。
PCM方式...Pulse Code Modulation 元々記録してあるPCM波形を再生する方式。サンプラーと同じような役割。
PD方式...Pulse Distortion オシレーターの位相を歪ませて波形を合成する方式。
その他の音源方式も存在しますが、主に上記の3種類、特にPCM方式が多く使われます。
アナログは高価な上に扱いが難しく、生産台数も少ないです。
デジタルは比較的安価でサンプル音源も標準搭載しているため、初心者が容易に手を出せる楽器です。
ただ、音作りそのものを楽しむことに関してはアナログの方が価値は高いと感じます。
複雑な構造への理解や技術が求められますが、1から音作りをする楽しさはアナログシンセでしか味わえません。
それぞれ違った良さがありますので、是非シンセ選びの参考にしてみてください!
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