音楽コラム集
2024.06.30
オーディオインターフェースなど、主にレコーディングに関わる音響機器の性能を表す際に、「kHz」や「bit」といった表記がされているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。
この表記が何を表すかご存知でしょうか?
今回の記事ではこれらが表すものは何なのか、レコーディングの品質にどう影響していくのかを解説していきます!
「kHz」、これが何を表すかというと、「サンプルレート」を表します。
レコーディングにおいては、マイクや楽器などの音声(アナログ)データを、レコーディング機器を用いてPCや各種メディアなどにデジタルデータとして取り込む手順が発生します。
その際、サンプルレートが高いほど、アナログの音声をデジタルデータにする際に行われる「標本化」を一秒間に行う回数が増えます!
「標本化」は回数が増えれば増えるほど、より正確に元の音を再現できます。
例えば44.1kHzであれば1秒間に44100回分の音のサンプルを記録するということ。
つまりサンプルレートが高いほど、より元の音に近い録音が可能で、下記のようなメリットを持ちます。
細かく音を再現してくれる:音の情報量が多く、その場で鳴っていた音を正確に再現するため、細かいニュアンスや空気感を捉えることができます。
周波数帯域が広い:可聴範囲を超える高周波数も記録でき、「音の透明感」や「広がり」が向上します。
後に編集や加工をしても音質劣化が少ない:編集や加工の際に音質劣化が少なく、より自然な仕上がりが期待できる。
ただ、音源データを扱う上では「音の情報量が多い」=「データ容量が大きい」ということにも注意しなければなりません。
一般的には上記も踏まえて用途によって使い分けられることが多く、下記のような数値で使用されることが多いです。
44.1 kHz: CD品質。一般的な音楽制作やリスニングに使用。
48 kHz: 映像制作やプロフェッショナルなオーディオ録音に使用。
96 kHz, 192 kHz: 高解像度オーディオ(ハイレゾなど)やプロフェッショナルな録音用途。
続いて「bit」が何を表すか。
これはいわゆる「ビット深度」を表すものです!
ビット深度もサンプルレート同様に「音の情報量」についての要素ですが、こちらは音のダイナミックレンジ(最小音から最大音までの範囲)、つまり音の大小(強弱)の表現幅の広さを表します。
ビット深度が高いほど、最も大きい音から最も小さい音までの段階をより詳細に分けて録音が可能になり、音のニュアンスを細かく表現できるということですね!
まとめると、高bit深度の音源は下記のようなメリットを持ちます。
広いダイナミックレンジ:音の強弱をより詳細に記録でき、広いダイナミックレンジを実現。微細な音から強烈な音までの幅広い表現が可能に。
低ノイズフロア:ビット数が多いほど、音源のノイズフロアが低くなり、よりクリアな音質に。特に静かな部分でのノイズが減少。
編集時の品質保持:編集や加工の際に音質劣化が少なく、より自由な加工が可能。音量調整や圧縮の際に品質を維持しやすくなる。
こちらもサンプルレート同様にデータ容量との兼ね合いから用途によって使い分けられることが多く、下記のような数値で使用されることが多いです。
16bit:CD音源や配信音源など。一般的なリスニングに最適。
24bit:プロフェッショナルなレコーディング、ミックス作業やマスタリング作業。
ハイレゾ音源も基本的には24bitで提供されます。
32bit:高度なレコーディングや、極限まで高度な音質が要求される研究用の録音など。
一般的な音源制作などの領域というよりは、研究目的などあまり一般的ではない特殊な用途での使用が現在はメインです。
それではこれを踏まえて、サンプルとして下北沢店のREC STUDIO常設のレコーディング機材(オーディオインターフェース)2機種の性能を見ていきましょう!
ビットレート、サンプリングレートはそれぞれ最高24bit/192kHzとなっており、他機種と比較してもハイクオリティな音源の録音が可能です!
ちなみにCDの音質は16bit/44.1kHzのため、比べると、約6.5倍の情報量の音源の録音が可能ということになります!
18イン/18アウトという入出力の多さも魅力で、プロの現場で使われている実績もあります。
音質のみではなく、その他の性能を加味しても非常に人気の機種です!
音質は24bit/48kHzとRME機に比べてやや劣りますが、それでもプロフェッショナルな音源制作、レコーディングにおいては問題ないといえます。
UC Surfaceというソフトウェア、アプリを使ってiPadなどの端末で直感的かつスムーズに音響の設定が可能な点が魅力です!
Macをお使いの方はドライバーのダウンロードも不要でそのまま利用できる点も見逃せません。
また、一度設定した音響設定を保存して、ボタン一つで呼び出しが可能となっており、音響設定に時間を取られずにレコーディングが可能です!
いかがでしたでしょうか?
もちろんオーディオインターフェースをはじめとしたレコーディング機器の持つ音質や性能については内部に使用されている各部パーツのグレードや回路設計など複雑に絡み合って決定付けられますが、サンプルレートやbit深度なども機材選びの際のひとつの指標として参考になるでしょう。
レコーディングをしたいけど、どんな機材を使えば良いのか分からない...という方はぜひ、スタジオノアへお問い合わせください!
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