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音楽コラム集

【スタジオマンが教える豆知識Vol.33】スタジオの必需品!コンデンサーマイクと48Vファンタム電源の秘密

2024.08.01

皆様、「コンデンサーマイク」についてご存知でしょうか?

サウンドスタジオノアでは、リハーサルやライブで多用される「ダイナミックマイク」と、レコーディングで多用されることの多い「コンデンサーマイク」を取り扱っています。

代表的なダイナミックマイクには、SHUREの「SM58」や「BETA58」が挙げられ、コンデンサーマイクでは、NEUMANNの「TLM102」や「TLM103」「U87Ai」等があります。

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今回は「ダイナミックマイク」と比較しながら「コンデンサーマイク」についてご紹介します。


ダイナミックマイク

「SM58」や「BETA58A」等のダイナミックマイクは、電磁誘導を利用して音声信号を得るマイクです。

マイクの内部に振動板(ダイヤフラム)とコイル・磁石があり、空気の振動(音)により振動板が動くとコイルが磁石の磁界の中で振動して電気信号が生じる仕組みになっています。

ダイナミックマイクは、コンデンサーマイクに比べ振動や大音量に対して強く「耐久性」がある為、主にリハーサルやライブなど大きな音が出る環境で使用されることが多いです。

また電源供給が必要なく、ミキサーとマイクをXLRケーブルで接続すればすぐに使用することができます。

コンデンサーマイクに比べるとレンジが狭いですが、その分ソースとなるサウンドを際立たせることができる為、楽器類のレコーディングではSHUREの「SM57」やSENNHEISERの「MD421 MK2」などのダイナミックマイクをコンデンサーマイクと組み合わせて使用することもあります。


コンデンサーマイク

「TLM102」や「TLM103」「U87Ai」等のコンデンサーマイクは、内部にある振動板(ダイアフラム)と固定極(バックプレート)の間にあらかじめ電気を貯めて、入ってきた音により振動板が動くと電圧が変わる原理を応用しています。

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コンデンサーマイクは、ダイナミックマイクに比べ感度が高く繊細に音を録ることができます。

Vo録りの際は、感情表現や抑揚を集音することができ、歌詞の伝達がしやすい利点があります。

その一方で、ダイナミックマイクよりは音圧に弱い為、セッティングする位置やソースとなるサウンドの音量には注意が必要です。

振動やポップノイズを拾いやすい為、レコーディングをする際はサスペンションホルダーやポップガードを使用し、雑音が入らないようにするのが理想です。

また衝撃や湿気に弱い為、取り扱いや保管方法には要注意。

サウンドスタジオノアでは温度・湿度を一定に保つ為にデシケーターでコンデンサーマイクを管理しています。

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コンデンサーマイクには「ファンタム電源」と呼ばれる48Vの電源が必要です。

ファンタム電源とはオーディオインターフェースやミキサーのマイクプリに備わっているもので、コンデンサーマイクに繋ぐXLRケーブルを経由してマイクに電源を供給する仕組みとなっています。

前述の通り、コンデンサーマイクは正しい取り扱いや使用方法を守らないと故障に繋がってしまう繊細な機材です。

マイクを接続・解除する際にも注意点がある為、正しい手順をオーディオインターフェースとの接続を例にご紹介します。


接続方法

①GAINが0の状態、ファンタム電源がOFFの状態になっているか確認する

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②コンデンサーマイクを接続する

③ファンタム電源をONにして、徐々にGAINをあげる


解除方法

①GAINが0の状態になっていることを確認してファンタム電源をOFFにする

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②電圧がコンデンサーに残っている為、20秒程度待ってから外す

以上が「コンデンサーマイクと48V電源について」でした。

正しい取り扱いや接続方法でレコーディングを楽しみましょう! 


サウンドスタジオノアでは、各店舗でコンデンサーマイクの取り扱いをしています。

REC利用でマイク選びにお困りの際はお気軽にスタッフまでお声掛け下さい! 

また、オーディオインターフェースの設定や入出力の設定・モニター環境の設定などを一緒に行い、録音ができる状態までサポートさせていただく「RECビギナーサポートプラン」というサービスもございます。(スタジオ料金+¥1,100)

初めてのレコーディングなどで不安な方は、是非ご利用ください。

皆様のご来店お待ちしております!