2021年06月17日
誰もが知っているからこそ!マーシャルアンプを知ろう|サウンドスタジオNOAH
--はじめに
今回は、スタジオに設置されているギターアンプの超定番メーカー・マーシャルをご紹介します!
普段何気なく目にしているマーシャルアンプの歴史や特徴など、知れば普段のスタジオ練習がより楽しくなるかもしれません!
■ マーシャルの歴史
ギターアンプのメーカーとして最も有名なマーシャルですが、元々はジム・マーシャル氏がロンドンで設立したドラムショップでした!
そこに出入りしていたバンドマンの要望によってギターアンプも取り扱うようになりました。
当初は既存のギターアンプの修理や販売を手がけていましたが、より求めているサウンドに近く、扱い易いアンプを求めて、1960年代当時主流だったギターアンプとは異なる特徴(アンプヘッドとスピーカー部を分離させたスタイル)の製品を独自開発し、販売を開始しました。
当時販売されたものは45W出力でしたが、その後のロック音楽の普及とコンサート会場の大型化、それに伴う大音量化によってより出力パワーの大きなアンプが求められ、100W出力が可能なモデルの開発にも着手しました。
現在でも愛用するミュージシャンが多く、「Plexi」とも呼ばれている「1959」はこの頃に開発・生産がスタートしました。
その後、80年代以降にJCM800、JCM900、JCM2000など後にロックギタリストにとって定番となるアンプが次々とリリースされ、現在でも多くのスタジオやライブハウスに設置されています。
これらはロック音楽の多様化、求められるサウンドの変化に応じて仕様も変化しており、ギタリストに愛され続ける理由といえるのでしょう。
■ マーシャルアンプの特徴
マーシャルアンプは製造当初より一貫して、真空管を搭載し、ヘッド部とスピーカー部が分かれているという特徴があります。
これにより暖かみのあるサウンドと深い歪みを得ることが可能で、スピーカー部の組み合わせにより多彩な音作りやパワー感のある出音が得られやすいという特徴もあります。
■ マーシャルといえばコレ!JCMシリーズ
マーシャルが現在でも主力としている製品は「JCM」シリーズです。
スタジオやライブハウスでもほとんどの場合JCMが設置されています。
JCMもいくつか種類があるので、ご紹介していきます。
1. JCM800
ハードロック全盛の80年代に開発・販売開始したJCM800は、シンプルな操作感で手軽にガッツのあるロックサウンドが得られることから、世界的にヒットした製品です。
多くのロックギタリストが一度は通ったと言える超定番アンプとなり、現在でも当時の仕様を再現したリイシューモデルが販売されています。
また、当時販売され現在でも状態の良いものは中古市場でも高値で取引されています。
2. JCM900
90年代に入ると、よりハードなサウンドが求められていた音楽シーンに合わせ、JCM800をベースにしながら、より深い歪みを得られる製品として、JCM900が販売されました。
こちらも多くのギタリストに愛され、スタジオやライブハウスでの設置率No.1と言えるのではないでしょうか。
3. JCM2000 DSL/TSL
2000年代に入りより激しく歪むアンプとして開発されたJCM2000は、異なる仕様を持つ2つの種類で販売されました。
DSLは「Dual Super Lead」の略で、クリーンとドライブの2ch仕様。
TSLは「Triple Super Lead」の略で、クリーン・クランチ・ドライブの3ch仕様です。
いずれもフットスイッチで切り替えができるので、曲の場面に合わせて音の切り替えるという使い方が可能です。
■ 進化する現行のマーシャルアンプ
現行のマーシャルアンプは、元々のパワフルなサウンドをベースにしながらも、より多彩な音作りが可能な「JVM」や、DSLの小型シリーズなども販売されています。
また、ヘッドホン出力を搭載し自宅練習用として人気のMGシリーズのほか、Bluetoothでの遠隔操作など最先端の機能が備わったCODEシリーズなど、伝統的なマーシャルサウンドを持ちながらも、機能面で大きく進化したアンプを現在でも販売し続けています。
■ マーシャルアンプの使い方
どのシリーズ・モデルでも共通するおすすめの使い方は、マスターボリューム以外全て12時にセッティングし、求める音量まで上げていくという方法です。
これが、そのアンプの最もベーシックな音を知ることができる方法といえます。
そこからより歪みを足したり、EQをややドンシャリにしてみたり、好みの音に近づけていくことで、アンプの持ち味を生かしつつ自分のサウンドを作る方法でしょう。