2025年04月03日
レコーディング
音質の決め手! サンプリングレートとビット深度とは
▪︎はじめに

セルフでレコーディングや楽曲制作をしたことのある方なら、「kHz」や「bit」という言葉を目にしたことがある方がほどんどだと思いますが、これらがなにを指しているか知っていますか?
これらはそれぞれ「サンプリングレート」と「ビット深度」というレコーディングのときに音質の決め手ともいえるものの単位です。
今回は「サンプリングレート」と「ビット深度」について解説していきます。
▪︎サンプリングレート
レコーディングにおいては、マイクや楽器などの音声(アナログ)データを、オーディオインターフェースなどの機器を用いてPCなどにデジタルデータとして取り込む手順が発生します。
このとき、アナログ(連続的な)信号をデジタル(離散的な)信号に置き換えることを「標本化」と言います。
サンプリングレートとは、この標本化をする回数を意味し、サンプリングレートの数値が高いほど1秒間に標本化する回数が増えます。
標本化は回数が増えれば増えるほど音の情報が増えるので、より正確に元の音を再現できます。
例えば、44.1kHzのサンプリングレートでは1秒間に44100回分割して記録しているということになります。
つまりサンプリングレートが高いほど、より元の音に近い録音が可能なので細かいニュアンスや空気感を捉えることができます。また、レコーディング後に編集や加工をしても音質の劣化がより少なくなるメリットもあります。
ただ、音源データを扱う上では「音の情報量が多い」=「データ容量が大きい」ということにも注意しなければなりません。とくにPCを使ったレコーディングではサンプリングレートの数値が上がればCPUへの負荷も大きくなるため、適切な数値に設定をすることが大切です。
▪︎ビット深度
サンプリングレートが標本化の回数であることに対し、ビット深度は1サンプルあたりのデータ量を意味します。
ビット深度が高いほど、1秒間に扱う情報量が多くなり、音のダイナミクスレンジ(最小音から最大音までの範囲)が広がり、音のニュアンスを細かく表現できます。
また、ビット深度が高いほど、ノイズフロアが低くなり、よりクリアな音質に。サンプリングレートと同じく数値が高いほど編集時の音質の劣化が少なくなります。
▪︎よく使用されるサンプリングレート/ビット深度
では実際にレコーディングをするときにサンプリングレートとビット深度はなにに設定するのがいいか分からないという方も多いでしょう。
ずばり、現在の音楽シーンにおいては48kHz/24bitがおすすめです。
一般的にCDで使用されるファイル形式(WAV)では44.1kHz/16bitが使用されており、以前は44.1kHzが音楽業界の標準とされていましたが、YouTubeやストリーミングが普及した現在では48kHz/24bitの使用が音楽業界でも広がり、主流となってきています。
また、音質には不可逆性があるので、48kHz/24bitでレコーディングしたものを44.1kHz/16bitに変換することはできても逆はできません。
▪︎最後に
ここまでサンプリングレート/ビット深度とはなにか、そして実際の現場ではなにが使用されているのかについて解説してきました。
レコーディングや楽曲制作をしてみたいけど、難しい音楽用語が多すぎる...と思っている方の助けになれば幸いです。
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