2020年05月14日
【スタジオHow To】ケーブルのバランス・アンバランスってどれを使用したらいいの?|サウンドスタジオノア
-はじめに
リハーサルスタジオでは多くの種類のケーブルを取り扱っています。
スタジオの中では様々な楽器や音響機材を接続するために、それぞれに適したケーブルを使用する必要があります。
今回は、その中で「バランスケーブル」「アンバランスケーブル」について解説します!
■ バランスとアンバランス何が違うの?
(1) バランスケーブル
バランスケーブルは一般的に「ノイズに強い」と言われています。
何故ノイズに強いかというと、中に通っている3本の芯線のうち、音声を流してる2本(ホット・コールド)が互いに逆相の音を出して、ノイズを打ち消し合う役割を果たしているからです。
分かりやすいところでは、ノイズキャンセリングイヤホンが同じような仕組みを採用しています。
もう1本の芯線はグランドと呼ばれ、外部のノイズ混入を防ぐためにケーブル全体を覆っています。
こうして、二重のノイズ対策が施されているため、バランスケーブルはノイズに強いと言われるわけです。
(2) アンバランスケーブル
アンバランスケーブルの中身は「グランド」「ホット」の2種類。
バランス接続と違い、音声は1本の芯線のみで送るため、シンプルな伝送です。
グランドで防ぎきれなかったノイズはそのまま入ってきてしまうので、特に長いケーブルだとノイズの混入を招きやすくなります。
■ フォーンケーブルにも2種類ある
(1) TRSとは
TRSはT(チップ)・R(リング)・S(スリーブ)を表しており、「チップ=ホット」「リング=コールド」「スリーブ=グランド」と考えて大丈夫です。
つまり、芯線が3本のバランス接続となります。
(2) TSとは
TSはT(チップ)・S(スリーブ)を表しており、ホットとグランドの2本の芯線での伝送です。
つまり、アンバランス接続となります。
■ 使用用途は何を基準に選べばいい?
通常、マイクからミキサーなどのPA機器に接続する際に使用頻度が高いのがバランスケーブル、ギターからアンプへの接続する際などに使用される頻度が高いのがアンバランスケーブルです。
基本的には「繋いだ先」の機器がバランス接続に対応するのか、アンバランス接続に対応するのかを基準にすれば、間違いがないです。
もしアンバランス接続からバランス接続に変換する必要があれば、D.Iボックスを使う方法などがあります。
■ スピーカーケーブルとは何が違うのか
ギターのアンプヘッドとキャビネットの接続などで用いられるケーブルで「スピーカーケーブル」がありますが、見た目がTSのフォンケーブルとほぼ同じなので間違われやすいです。
この2つは構造・用途が異なりまして、フォンケーブルは音の信号と極微弱な電流が流れます。
対してスピーカーケーブルは、スピーカーを動かすための大きな電流を流すための専用ケーブルです。
なので、例えばフォンケーブルをアンプヘッド-キャビネットの接続に使ったりすると、ケーブルがショートして、アンプの故障、最悪の場合は火事を招きます。
絶対に用途に合ったケーブルを使いましょう!
-終わりに
スタジオやライブハウスでよく使われるケーブルも、用途によって様々なものが使い分けられています。
接続する機器によって正しいケーブルをチョイスすることで、ノイズや音質劣化の少ないクリアな音でリハーサル、ライブやレコーディングが行えます。
ケーブルの中の構造については、自作してみるとすんなり理解できると思うので、興味のある方は是非やってみてください!