2020年10月19日
デッドなスタジオって何?|サウンドスタジオノア
-はじめに
リハーサルスタジオに行くと、広さや形状・設備が異なる様々な部屋があります。
それらと同様に、実は部屋の中での音の響き方・鳴り方などの音響面も異なっているのです!
今回は、ちょっとマニアックな「音の響きの違い」について解説していきます。
■ あれ、こんなに下手だったっけ?の正体
普段使っているスタジオとは違うスタジオで練習している時、なんだか「いつものようにいかないなあ」「こんなに下手だっけ?」と感じることってありませんか?
実はこれ、スタジオによる音の響き方の違いによって、普段聞こえている音が聞こえなかったり、逆に普段聞こえていない音が聞こえたりすることから生じているのです。
■ デッドなスタジオとは
よくスタジオやライブハウスなどの空間での音の反響などを語る際に「デッド」「ライブ」という用語が用いられます。
では「デッド」とはどういうことなのか。
簡単にいうと、音がしっかり吸音され反響せず、あまり響かない状態を指します。
このようなスタジオは、バンドで練習に入った際にそれぞれのパートの音が分離して聞こえやすいという特徴があります。
また、録音する場合にも、部屋の反響がマイクに入りにくいという特徴があります。
一般的に、レコーディングの際にはこのようなスタジオが好まれる傾向にあります。
理由としては、残響感は後から付け足すことができますが、集音された残響音をあとから消すことは非常に困難だからです。
歌を宅録で録る場合にも、カーペットを敷く、カーテンを閉めるなど、吸音をしっかりと行うのが望ましいとされています。
■ ライブなスタジオとは
では反対に、ライブなスタジオとはどのようなスタジオなのでしょうか。
こちらは、音がよく響くスタジオのことを指します。
それぞれのパートの音が程よいリバーブ感を伴って混ざって聞こえるので、気持ちよく感じられるような音響となります。
テンションを上げて練習したい時などは、このようなスタジオでの練習が望ましいと言えます。
また、スタジオから配信ライブを行うような際にも、ややライブなスタジオを選択した方が、聴き手にその空間の自然な音を届けられます。
■ デッドorライブ部屋の選び方
最もわかりやすいのは、部屋の中央で手をパンッと鳴らして音の響き方を確かめる方法です。
音がよく伸びるようであればライブ、逆にすぐに音が減衰してすっきりとした感じであればデッドと言えます。
先述の通り、デッド・ライブ両方それぞれ用途によって向き・不向きがあるので、そこも踏まえつつスタジオを選ぶと良いでしょう。
-終わりに
デッドとライブの違い、少しマニアックな内容でしたが、おわかりいただけたでしょうか?
スタジオの常設スピーカーも、実はスタジオの音響に合わせて適切に鳴るようにチューニングされています。
そう言った部分にもぜひ注目しながら、スタジオでの練習をより充実させていただければと思います。