音楽コラム集
2009.06.09
-最高のリズム&ブルースとクールだがボンクラな兄弟の大奮闘!- 黒い帽子、黒いスーツに黒ネクタイ、夜でもサングラス。 葬式帰りか!と言わんばかりの縁起でもないルックスの義兄弟、 人呼んでブルース・ブラザーズ! ブルース・ブラザーズの誕生は1977年までさかのぼる。 映画「アニマルハウス」撮影中にブルースに開眼した 稀代のコメディ俳優ジョン・ベルーシが、 バンド経験のある同輩ダン・エイクロイドを誘ったことで始まった。 初登場はアメリカNBCの人気コメディ番組「サタデーナイトライブ」のコント。 黒い帽子にサングラス、体は蜂の着ぐるみをきて現れた。 演奏曲は"I'm a King Bee"。 要は出オチのギャグだったのだがこれで気を良くしたのか、 その後はリズム&ブルースを演奏するチョイ悪な黒人ミュージシャン、 またはアメリカの都市伝説「黒服の男(Men in black)」を踏襲した 黒いスーツに黒いネクタイという有名なスタイルに変わり、その後も継続して出演する。 迫力に満ちた本格的なリズム&ブルースを演奏して人気を獲得、 あれよあれよとレコード契約が決まり、 アトランティックからリリースされたライブ・アルバム「ブルースは絆」が大ヒット、 遂には映画になってしまったのが1980年製作の本作「ブルース・ブラザース」だ。 ムショ帰りの兄貴とボンクラな弟が、差し押さえ直前の孤児院を救おうとかつてのバンド仲間を集め、「金がないならライブで稼げ」と大奮闘する。 ジェームズ・ブラウンが牧師を務める教会で啓示を受けた2人は「神の使命」と大暴走、 悪気なしにどんどん敵を増やし、怒涛の追っかけっこへと突入してしまう。 無駄に壮大なクライマックスはバカバカしくも圧巻、まさにスペクタクル! この大活劇に彩を添えるのはジェームズ・ブラウン、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、キャブ・キャロウェイら黒人音楽の大御所たちだ。 彼らも実に楽しそうに大立ち回りを演じる。 ヒロイン?として「スター・ウォーズ」のレイア姫ことキャリー・フィッシャーや、 ミニスカの女王として世界を席巻したツイギーが出演しているのも見所の一つ。 そしてブルース・ブラザーズ・バンドの面子がこれまた凄い。 1960年代のソウルを支え、あのオーティス・レディングのバックを務めた スティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダック・ダンら ブッカー・T&The MG'sのメンバーを中心に、 いぶし銀の演奏を聞かせる古強者が勢ぞろいしている。 先ごろ亡くなった忌野清志郎(合掌!)とも競演した日本人にも馴染み深い面子だ。 全編に古き良き黒人音楽への愛が満ちており、 ライブ・シーンを観ればこっちの魂も熱くなる。 荒くれカウボーイの集まるバーで無理やり演奏する「ローハイド」から、 演奏シーンのクライマックスの「エヴリバディ・ニーズ・サムバディ」、 エンドロールの「監獄ロック」まで実に充実。 音楽のみならずコメディの鬼才ジョン・ランディスの演出だけに、 過剰なまでの爆発!スピード感溢れる破壊! 爆発!破壊!爆発!破壊!が随所で炸裂する! ジョン・ベルーシとは「アニマル・ハウス」で既にタッグを組んでいるので呼吸もバッチリ。 ジャック・ブラックに継承される「身軽なデブ」キャラを存分に引き出している ランディスの過剰演出の最たるものとしてこの世の終わりまで語り継がれるであろう、 究極のカー・チェイスも下手なアクション映画の何百倍も迫力がある。 パトカーが交差点に次から次へと積み上げられ、 建設中の高速道路からすっ飛んだネオナチの車がシカゴの上空高く舞い上がる やりすぎな大バカ加減には爆笑必至。 この映画は本物の音楽と本物の馬鹿バカしさが幸福に混ざり合った傑作であり、 これを観て人生の青写真の予定が狂ってしまった 小生のようなボンクラもいるほどその影響力ははかり知れない。 これは必見というレベルを遥かに飛び越えたロックンロールハイスクールの必須科目、 人生の教科書だ! 【作品データ】 ブルース・ブラザース "The Blues Brothers" 1980年製作・米ユニバーサル映画 監督:ジョン・ランディス 脚本:ジョン・ランディス、ダン・エイクロイド 出演:ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド 【DVDリリース情報】 ブルース・ブラザース 発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント 価格:1.800円(税込) 発売日:2009年7月8日 【CDアルバム】 「ザ・ブルース・ブラザーズ」オリジナル・サウンドトラック 参加アーティスト:ブルース・ブラザーズ、ジェームズ・ブラウン、 アレサ・フランクリン、キャブ・キャロウェイ、レイ・チャールズ、他 発売元:ワーナーミュージック・ジャパン 価格:1.800円(税込) 発売中
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