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音楽コラム集|NOAHお笑い雑学王

【コラム】音楽×お笑い=「歌ネタ」

2020.09.17



音楽とお笑い、一見あまり関係のないもののように感じられるが、果たしてそうだろうか?
第5回目になるこのコラム、今回はお笑いと音楽の融合でもある「歌ネタ」について深掘りしていこう。


「歌ネタ」の定義

毎年開催されている歌ネタに特化したコンテスト、「歌ネタ王決定戦」がある。
このコンテスト側からははっきりとした明言はされていないが、公式サイト内で「音楽要素があって面白ければOK」という風に紹介をしているようだ。歌ネタに関してはかなり自由度が高く、表現の幅も高いと言えよう。歌、楽器、リズム、ダンス、モノマネなど表現方法は多く、M-1グランプリのような比較的ルールがしっかりしているコンテストも良いが、このような自由なコンテストを見るのもお笑いの醍醐味と言えよう。 ではここからはいくつか実際に「歌ネタ」を紹介して行こう。


【ラニーノーズ】ABCの歌



歌ネタ王決定戦2019の王者であり、ギターを使った「音曲漫才師」である。

その他、ラップやアカペラなども取り入れ、大阪を中心に若手芸人の歌ネタの代名詞とも言えるコンビになっているのではないだろうか。

ネタを見てもわかるように、二人とも歌唱力、ギターテクニック共に高く、それもそのはず、彼らはお笑い芸人としての顔だけではなく、「Runny Noize」というバンド名で活動しているバンドマンという顔も持っており、お笑い芸人とバンドマンの二足の草鞋を履いているということなので驚きである。

ラニーノーズの際の出囃子でもRunny Noizeの「Bunny」を使用しているとのこと、是非チェックしてみてほしい。

 

Runny Noize『Bunny』


【トニーフランク】もしも有名ミュージシャンが「ももたろう」をテーマに曲を作ったら



このように有名アーティストが〇〇をテーマに曲を作ったら、このようになるのではないかと妄想して作詞作曲をした曲を披露するスタイルの芸風である。

即興も得意としており、その場でお題をもらうだけで歌を作ることができるそう。

有名アーティストの妄想ソングも、そのアーティストの楽曲の特徴をよく捉えており、彼の音楽レベルの高さが伺える。

筆者のお気に入りはASIAN KUNG-FU GENERATIONバージョン、是非聞いてみてほしい!


【新作のハーモニカ】飲み会のコール



個人的な最近の若手歌ネタ芸人の注目株がこちら、新作のハーモニカ。

人気ネタ番組「ネタパレ」などのテレビにも出演し、Tik Tokのフォロワーは6.5万人と若者を中心に徐々に人気が出てきている。

彼らの特徴は、ネタ中にボケでもある藤田氏が得意とするヒューマンビートボックスに、ツッコミの溝上氏が得意とするラップを組み合わせた、非常に現代らしい歌ネタとなっている。


【ニューヨーク】ラブソング



M-1グランプリ2019ファイナリスト、そしてキングオブコント2020ファイナリストも決まり、Wファイナリストとなったコンビ。(このコラムを書いている時、まだキングオブコント決勝前の為、筆者は非常にワクワクしながら執筆している)

皮肉や偏見の効いた毒っ気のある漫才、コントが特徴である。

余談だが、筆者は生粋のニューヨーカー(ニューヨークのファンの呼称)である。そのこともあり、歌ネタがメインなコンビではないが完全なる筆者の好みで紹介させてもらった次第である。

とは言え、こちらのネタは昨年のM-1グランプリの決勝戦で披露したネタなので(過去の動画のため多少変わっているが)、見たことがある方も多いのではないだろうか。

こちらの歌ネタはオリジナルの曲であるが、王道J-POP風のメロディになっているため非常に聞き馴染みがあると同時に、それらに対する皮肉を含ませている。

また、「冷静~冷静~」や「ラッキーボーイ~」の部分はかなり耳に残るフレーズなので、ついつい口ずさみたくなってしまうこと間違いない。

ちなみにこのネタ以外にも歌ネタではないが、「Dragon Ash」や「米津玄師」などアーティストをテーマにしたネタも多数あるので是非チェックしてみてほしい!(筆者のオススメは米津玄師)



【オリエンタルラジオ】PERFECT HUMAN



リズムネタ芸人の代表格とも言えるコンビ、オリエンタルラジオ。

代表的リズムネタ「武勇伝」でデビュー後即大ブレイクし、一世を風靡した。

その後、一時は人気が下火となるが、ツッコミの藤森氏の「チャラ男」のキャラで再ブレイクし、その後また更なるブレイクのキッカケとなったものがこの「RADIO FISH」による「PERFECT HUMAN」であろう。

RADIO FISHは、オリエンタルラジオを中心に、中田氏の弟で、ダンスの世界大会優勝実績もあるダンサーのFISHBOY氏をはじめとする4名のスキルマスターと呼ばれるダンサーと共に結成したダンス&ボーカルユニットである。

ではこれは歌ネタではないのではないか?と思う方もいるだろう。

しかし、この「PERFECT HUMAN」が話題となったのが、「ENGEIグランドスラム」という人気ネタ番組で披露した時であり、歌詞が「御神体」である中田氏を崇めたてるものになっているため、「武勇伝」と軸となるものが一貫している。

そのためこちらも歌ネタの一つの表現方法であると言ってもいいだろう。

 

このコラムを執筆している前日に歌ネタ王決定戦2020が行われ、「さや香」が今年の歌ネタ王の称号を手に入れた。

残念ながら、YouTubeで公式の動画がなかった為こちらでは紹介できないのでご了承いただきたい。(ちなみに筆者は2017年にさや香がM-1グランプリ決勝を果たした際に披露した、歌のおにいさんのネタが好きなのでチェックしてほしい)

いかがだっただろうか? 一言で「歌ネタ」といえど、多種多様な歌ネタがあることがわかっていただけただろうか。

そしてお笑いと音楽は切っても切れない関係であることも理解していただけただろう。

現在、お笑い芸人もYouTubeの進出がめざましく、本日紹介した以外でも多くのお笑い芸人が公式チャンネルでネタをアップしているので自粛期間中のお供にチェックしてほしい!