「パワフルで重量感のあるドラムを叩くにはどのようなことを心掛けたらいいですか?」
今回は、ギター特集ということで、ギターバンドの女性ドラマーさんからのご質問をテーマにしたいと思います。
アンプを使う楽器はボリュームつまみを回せば音が大きくなるのですが、アコースティックギターや打楽器はミュージシャンのプレイでぜんぜん音量は違ってきます。
確かに、僕もギターバンドに在籍しているころは、レスポールとマーシャルという爆音黄金セットでしたので、ドラムにマイクを使わないリハスタでの練習では、とくにキックやスネアが聴こえないと言われることが多かったです。なので、キックが鳴るようにイスの位置や足の角度等、体のバランスを確かめながら抜けた良い音が出るようになるまで何度も何度も個人練習しました。
でも、パワフルとか重量感って音量だけでしょうか?
前の音との相対的なイメージもありますが、会場やスタジオなど場所によってドラムやバンド全体の音量は変わるので、力強さを音量ではないタイミングで表現できるようになると小さな音でも重量感は出ます。とくにライブハウスからコンサートホールにバンドが成長する中で、フロントのギターやベースとのバランスが変化しますから、相方のギタリストやベーシストと継続していろいろな場面をともに経験することで、ギターの音色に合わせた楽器選びやチューニング、奏法ができてくると思います。なので、力というより、重力を使ったタイミングというか、それぞれのタイコの音をスペックいっぱいまで鳴らしきるって感覚を身につけることが大事かなと思います。「すこーん」ってタイコが鳴ったときってめちゃめちゃ気持ちいいので、それまでの練習の苦労が吹っ飛ぶ瞬間だったりします。ドラマーはもちろんバンドのメンバーも、タイコを鳴らしきった音を体感して心に記憶させることが大事です。
ドラムもギターも一生ものですから、焦らずに鍛錬するのが健康にもいいですよね。ちなみに、僕は玄米を食べ始めて音が変わりました。そのお話は、またの機会に。
来年は『草笛リズムマシン』の音源を発表したいと思います。
皆様も良いお年を。
三嶋 RACCO 光博
シアターブルック初期ドラマーとして「ありったけの愛」「ドレッドライダー」他 アルバム「TALISMAN」を発表。
様々なアーティストのサポートをつとめる。
m-floタカハシ☆タクらDJとセッションライブが好評・話題となる。
教則DVD「RACCOの相対性リズム論 初級・中級編」&ソロアルバム発表。
リズム&グルーヴスクール:CAMNA SOUND ARTS / レーベル:GROOVALIZE RECORDS 創立