音楽コラム集|From アメリカ
2017.09.04
こんにちは。 新・齋藤健太郎です。 新しくなりました。 ピカピカです。 今回こそ、アメリカでライブするときの話を具体的にしましょう。 頑張ります。 では、まず朝起きて車に乗って箱まで運転するところから始めます。 順序を追って書かないと、どうも脱線してしまいそうで、自分が怖いので... ①移動。自動車の話 1日の平均移動距離が500kmなので、当然頼りない中古車はブチ壊れます。 壊れたときのために、保険の付いたレンタカーとかをオススメします。 でも、アメリカでは、1ヶ月間レンタカーを借りるお金で、普通に中古車が買えます。 車の勉強をすれば、頑張れるのでしょう。 実際、そんな感じで車に詳しく、鉄人のような伝説の日本人ツアーバンドのリーダーが実在します。 釣りの得意な人です。 僕は、個人的に車の勉強をする時間があったらギターの練習をします。 ゴメンなさい。 あと、JAFがAAAっていうアメリカのJAFみたいな会社と提携しているので、JAFカード持っておくと良いかもですね。 ②サウンドチェック 「サウンドチェック」なんてものは、だいたいの場合、ないです。 日本国内のライブハウスでは、サウンドチェックをするのが普通ですが、アメリカのライブハウスは、あんまりサンドチェックをしません。 3バンドあったら、サウンドチェックするのは1個目のバンドだけとかです。 大抵は、PAの動作確認のようなものです。 サウンドチェック時も、ああしてほしい、こうしてほしい、とかぜいたく言いたいのなら、しっかり英語をしゃべれるようにメンバー全員がならなければいけません。 あと、注意してほしいのは、お客さんが見てる前で「サウンドチェック」すると、言語の理解できないお客さんは、演奏が始まったものだと勘違いします。 昔、台湾のフェスでバンドを見たときに、妙にアバンギャルドなバンドがいるなぁ、と思って見ていたら、サウンドチェックでした。 下記は、日本人バンドがお客さんを前にして「サウンドチェック」をする模様です。 https://youtu.be/HhhO-_7IkP4 ③野次馬 ライブ始まったら、今度はテキトーに酔っているヤツが野次馬で絡んできたりします。 面倒臭いお客は、放っておきましょう。 いちいち相手にしてたら、ライブになりません。 こういう面倒臭い客は、ライブ後も絡んできたりするので、1人とは2分以上しゃべらないとか、そんなルールを決めてテキトーにあしらうのが良いです。 酔っ払いで面倒臭いヤツは、日本もアメリカも一緒です。 ただ、アメリカのライブハウスのほうが、お酒の量が全然多いので、酔っ払いもその分多いです。 ④物販の場所 物販を売る場所の確保も、結構シビアです。 自分でグイグイ作っていかなければいけません。 箱の人に聞いても、大抵ざっくりした答えしか返ってきませんし、対バンの人とかニコニコしてても、物販の場所取りは譲り合いの精神がまったくなかったりします。 ゴリゴリ自分たちの物販を一番目立つ場所に置く図々しさを身に付けましょう。 本当は、勝手に自分で目立つ場所にササッと置いちゃうのが一番です。 マズい場所に物販を置いた場合は、箱の人が注意してくれます。 注意されなかったら、目立つのが一番です。 「場所がない!」って文句言っても、「甘えっタレの、面倒臭い奴らだなぁ...」って認識されます。 ⑤宿 ライブが終わったら、誰かの家に泊めてもらいましょう。 ...は? ⑥お支払い ライブが終わったら、ちゃんとお支払いの話をしましょう。 お金払ってもらってから、帰りましょう。 日本のライブハウスみたいに、バンドがお金払わなきゃいけないシナリオは、ほとんどないです。 ちゃんと聞かないと、シレッと払わない箱もあります。 気をつけましょう。 ⑦宿(もう1回) そう、誰かの家に泊めてもらいましょう。 宿代をタダにしましょう。 黒字への道は、厳しいです。 喜んでいるお客さんに「泊めて欲しいんだ!」って聞いたら、大体泊めてくれます。 ツアーバンドを家に泊めるのは、バンドカルチャーの一つです。 パーティーです。 普通です。 僕も20代のときは、ツアー中は毎晩お客さんの家に泊まっていました。 でも、多分ですが、同じ人の家に2日泊まったら、ムカつかれるので、やめておきましょう。 いろいろ大変ですね。 がんばりましょう。 ちなみに、僕はお客さんの前でサウンドチェックしますし、物販も泣きそうな犬みたいな顔して場所譲ってもらいますし、人の家に泊まってパーティーとか面倒臭いので、大抵の場合、安モーテルに泊まります。 ゴメンなさい。 でも、お金だけは、絶対もらってから帰ります。 次回。 「レーベルちゃん」 いよいよ、アメリカのレコードレーベルの話をします。 首を長〜くして待っていてください。 プロフィール 斉藤健太郎 ギタリスト。1974年生まれ。ベストヒットUSA等、80年代音楽テレビ番組の影響をモロに受け、アメリカ音楽に没頭。そんなこんなで、18歳のとき、米国西海岸の某音楽専門学校に入学するため、渡米。1年プログラムの米国音楽専門学校において、日本の常識と米国の常識の違いに戸惑って、自分の無能さに落ち込んだ挙句、一生懸命練習した結果、優秀生徒の一人として表彰される。その表彰状で、ニューヨークにある某音楽大学のジャズ科に、半ばハッタリを使って奨学金をもらい入学。在学中に、当時の有名ニューヨークジャズメンたちの切実な生活状況等々を目の当たりにし、「ジャズは、頑張っても売れない!」という理由で、ジャズ科の生徒2人を口説き、3人でパンクバンド(名前は秘密)を結成。唯一の日本人(英語に訛りがいっぱい)であるにも関わらず、ボーカルも担当。結成1ヶ月後あたりに、某インディーレーベルから、ほかのインストゥルメントプロジェクト(ジャズ)を買われた挙句、レーベルをちょっと騙してデビューアルバムを製作。ギターは、1日平均10時間くらい練習していたものの、歌なんて、ほとんど歌ったこともないのに、作ったデビューアルバムがアメリカCMJにて新作部門4位、全体チャート80位以内を記録。その後、調子に乗って、いろんなバンドで、米国、欧州、台湾、オーストラリア等をツアー。 現在は、OTONANA Trioを率い、2012年以降、5枚のフルアルバム発売。年間平均70回の興行をアメリカにて遂行中。 2017年は、グラミー賞受賞プロデューサーであるBob Cutarella氏を迎え、新譜の録音中。 公式サイト www.otonanatrio.com
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