音楽コラム集|音楽知識系コラム
2015.11.02
最近は、iMovieなど自分で撮影した動画を手軽に編集できるアプリが増えていますね。今回から、自分で撮影・編集したものにかっこよく音楽や効果音を付けていくためのヒントについてお話ししたいと思います。 まず最初にやらなければいけない大事なことは、音の設計図を作るということです。編集したビデオの全体を見渡して、どこに音楽を付けるかを考えます。ポイントは、一番見てもらいたいところ、伝えたいところはどこか、ということです。そのシーンが同録(撮影時に録音されたノイズやセリフ)で見せたほうがいいのか、音楽を付けた方が盛り上がるのかを考えましょう。 たとえば、結婚式の新郎新婦の紹介ビデオに音を付けていくケースです。おそらく一番盛り上がるのは、プロポーズのシーンでしょう。どこから音楽を付けるかというと、彼がプロポーズして彼女が返事をした後です。その前をセリフだけにすることで、音楽が流れた瞬間が劇的に盛り上がります。それが映像ではなく、写真で構成していても同じです。プロポーズのテロップ(文字)、そして彼女の返事のテロップが出るまでは、思い切って何も付けないでおきます。何も音を付けない、というのはちょっと不安になるかもしれませんが、そのテロップが「伝えたいことのすべて」だということになります。それは、必ず見ている側にも伝わります。そして、見ている側が彼女の返事のテロップを確認した瞬間音楽が流れれば、それはもう感動的な演出になること間違いなしです。あとは、その音楽をどこまで流すかです。そのままエンディングまでいってしまうのか、別の音楽につなぐのかを考えましょう。 もう一つ、プロが使う手法があります。それは、告白をしている場面から音楽を付け、その音楽のサビの部分を彼女が返事をした後に合わせるやり方です。どこから音楽を付けるかはケースバイケースですが、とりあえず付ける音楽のサビから逆算して流してみましょう。しっくり来ない場合は、フェードインにしてみてください。この手法は、見ている側は「来るぞ来るぞ」と期待感を持って見ることができる予定調和的な感動になります。 どういう演出にするかを考えたうえで音楽を探しましょう。静かなイントロがどのくらいあればいいのか? 徐々に盛り上がりドーンとサビが出る曲(シェネル『Sunshine On You』等)やいきなりカットインの方が効果的な曲(ホイットニー・ヒューストン『I Will Always Love You』等)など、いろいろありますよね。 中島 克(なかじま まさる) 有限会社サウンド・デザイン・キュービック代表取締役。1985年、東京サウンドプロダクションを退社後、キュービックを設立。TSP在籍時には、テレビ朝日「川口探険隊」の選曲を担当。独立後は、「警視庁24時」「驚きももの木20世紀」「星新一のショートショート」などの番組も担当した。現在は、「美の巨人たち」「THE追跡」「Song to Soul」など楽曲制作も含め幅広く活動している。 [サウンド・デザイン・キュービック ]http://www.cubic-power.net
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