音楽コラム集|音楽知識系コラム
2013.04.01
最近、インド系の方々と打ち合わせする機会が多いのですが、彼らの発音がよくわからないのが悩みのタネです(メールでは問題ないのに)。同様に日本人の英語が通じない場合、発音に問題があることが多いように思います。多少の日本語風は構わないとは思いますが、構文はきちんとしているのに、口頭ではコミュニケーションが取れないのではもったいないですね。 ここでの問題は、当然のことながら日本語にはない音が英語にはある、ということ。英語の音をカタカナ的に日本語に当てはめるのは、尺八の音楽をピアノで弾くのと同じくらい無理があります。発音がカタカナ表記に引っ張られることにもなります。 たとえば、英語では「t」はいつでも「タチツテト」の音になるわけではありません。「Check it out」は、「チェケ『ラ』ッチョ」のほうが「チェック・イット・アウト」というより通じるはずです。いつも「タチツテト」だと思っていると、適切に発音できないばかりか、英語が聞き取れないことにもなってしまいます。 ほかにもいろいろあります。単純に「i=イ/e=エ」とはならないことにも注意。たとえば、乗り物を表す「vehicle」。これは、あえてカタカナで書けば「ヴェーイクル」となりそうですが、、実際には「イ」と「エ」が逆転して「ヴィーエクル」としか聞こえません。そして、このような例はほかにもいろいろあります(Nike= ナイ「キ」とか)。 ミュージシャンである我々は音楽的な訓練を受けていない人々に比べて、音色/音韻の違いに敏感だと思うので、それを活かして英語的な発音を学習していったらよいのではないでしょうか? 私の周りで絶対音感を持っている人たちは、みな英語の発音がとても綺麗です。絶対音感保持者というのは音の高さだけではなく、音色の違いの把握にも優れているということなのでしょうか? 英語の学習においては、ちょうどヒューマンビートボックスの人がいろいろな楽器をそっくりに真似するように、英語話者の音を直接真似すればいいのでしょう。そして、ビートボクサーにはカタカナが不要なように、英語学習者もカタカナの呪縛から少しでも自由になれればと思います。 鈴木 koyu 浩 ベース奏者・翻訳家。 バークリー音楽大学入学を機にアメリカへ。その後のシカゴ生活を含め合計6年間滞米。U2や ボブ・ディランなどのプロデューサー、ダニエル・ラノワの自伝『ソウル・マイニング』(2013年3月みすず書房より出版)を翻訳。ノアミュージックスクール・ベー ス科講師。 www.youtube.com/koyubass
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